MARK
藤澤 雅義
MASAYOSHI FUJISAWA
資格等
IREM Faculty(IREM認定講師)/CPM®(認定不動産経営管理士)/CCIM®(米国不動産投資顧問)/
宅地建物取引士 /賃貸不動産経営管理士 /IREM JAPAN 2003年度会長 /(一社)沖縄県運転代行ビジネス協会会長
“仕事を楽しむ”ことが、新たなイノベーションを生みだす力になる
アートアベニュー
業界内では人や企業が自分の利益を追い求めるあまりに、賃貸の現場の者からすれば長期的には不利になるような企画が提案されている現実を知りました。「不動産オーナーにもっと現場の声を伝え、そして経営的な視点から資産運用のアドバイスがしたい」と考えた時に、思い浮かんだのが賃貸管理会社というスタイル。短期的な結果が求められず、ストックビジネスで経営が安定している“賃貸管理”こそ、不動産オーナーのためになる真のご提案ができ、オーナーの資産価値の最大化に貢献できるのではないかと、そう考えたわけです。やりたい仕事をするためには、自分で会社を興すしかないと設立したのがアートアベニュー(AA)でした。顧客もなく全くゼロからのスタートでしたが、定期借家契約やマスターリース方式など、業界ではあまり使われなくとも“オーナーの利益につながる”と確信できるシステムを導入し、「オーナーの立場に立ったコンサルティング」を徹底。数多くのオーナーの賃貸経営を成功へと導いています。
オーナーズエージェント
私は当時から、オーナーの立場に立ってプロパティマネジメント(資産経営管理)ができる管理会社が増えれば、より多くのオーナーが良い経営を目指せるようになり、賃貸管理は一層求められる存在となるはずだと信じていました。そして幸いにも、そんな私たちのやり方を知って「プロパティマネジメントを学びたい」と言ってくださる会社も出てきたんですね。AA社の管理手法や企業理念、アセットマネジメントとしての賃貸管理に、多くの会社が共感してくださったのです。
そこで、AA社で培った賃貸管理のノウハウを全国の不動産会社へと届けるコンサルティング会社、オーナーズエージェント(OA)を設立しました。管理ビジネスを進化させるアドバイザリーとして、全国の不動産会社に研修やセミナー、販促ツールおよび業務改善ツール、入居者対応コールセンター「プロコール24」等さまざまな支援サービスを提供しています。「プロコール24」は契約戸数が11万世帯を突破し、案件完結型のコールセンターとして全国No.1に成長しました。2018年には第2コールセンターとして「オーナーズエージェント沖縄」を設立。ご利用いただく戸数の増加に伴い、災害発生時などに備えた分散化でリスクマネジメントを図っています。
アートアベニュー宮古島
宮古島とのご縁は、2013年に着手したプライベートヴィラ「villa karimata」の開発から。島の人と親交を深める中で地域の高齢化や若年者層の人口減に苦慮している現状を知り、宮古島のために何かできないだろうか、という思いが強くなりました。そこで、まず2016年と2017年には、地域振興策として大相撲宮古島巡業を企画・誘致。事業としても2018年に飲食店「ステーキ&スポーツダイナー SUPER STAR(2021年より『三線ライブと島体験の店』としてリニューアル)」をオープン、続いて島の地域活性化の拠点となる「アートアベニュー宮古島」を設立。翌年以降も「居酒屋めーめー(山羊そば)」をグランドオープン、地域情報誌「宮古ストーリー」発行や、代行車をスマホで見つけられる「運転代行キャッチャー」の運営、そしてアートアベニューの本業でもある建築プロデュースと、今まで島になかったサービスを展開しています。資産コンサルティングを手がけてきた我々が、最後に行きつくのはタウンマネジメント。地域を盛り上げていくことは、そのまま地域のオーナーの持つ資産の価値を高めることにつながるからです。観光地の開発が急速に進み、伊良部(下地島空港)では「宇宙港」プロジェクトが動き始めた宮古島。エリアとしてさらに大きく飛躍する可能性を感じています。
創業当時からずっと言い続けているのが、「楽しくなければ仕事じゃない」という言葉。私は以前から、仕事=苦しいもの、としがちな世間の認識に、ちょっと違うんじゃないかなと思ってるんですね。仕事は何かの罰などではないし、苦しみながらやるものではないと思っています。「こうやったら面白いんじゃないか」「こうやったらうまくいくんじゃないか」と試行錯誤を重ねる工程は本当に楽しいものです。また、私はもともとクリエイター気質なので、「ものを作ること」が大好き。事業のアイデアを練るのはもちろん、各種のロゴデザインも自らジャッジしますし、会社のミーティングルームにはそれぞれ『ロンドン』、『パリ』、『ローマ』、『サンフランシスコ』とテーマを決めて、その都市の雰囲気が出るデザインにしています。特にロンドンパブをイメージして作った『ロンドン』は人気が高く、よく使われています。
また、もともと音楽をやっていたので、沖縄で展開している運転代行キャッチャーのテレビCMソングを作詞作曲し、自ら歌ったりと(編曲:マーク藤澤とロングトークス、バンドメンバーは全員社員)、本当に楽しくやらせてもらっています。だから、「これをやってみたい」という意欲があるなら、社員にもどんどん新しい挑戦をしてもらいたい。その仕事はきっと、とことん”楽しい”はずです。
動画の企画・撮影・編集は社員(クリエイティブ課)によるもの
社員の意欲を上げるために必要なのは「自由に働ける職場」であると考えています。以前からフレキシブルに働ける会社ではありましたが、コロナ禍を機にもっと上を目指そうと、社内のシステムを大きく変えました。例えば、働く場所は自宅、サードプレイス、または会社と、都合に応じて選べます。勤務時間はコアタイムなしのフレックスタイム制で、昼間に抜けても構わないし、働く時間を調節して週休3日制にするのも自由です。接待費の稟議をなくし、金額の上限枠も撤廃しました。仕事にはもちろん結果が必要ですが、結果を出すための方法は自分で決められるほうが、取り組んでいても楽しいはず。例えば、会社や上司に命じられて日曜出社するのと、自分の意思で、やりたい仕事があって日曜出社するのとでは、気分がぜんぜん違いますよね。思えば自分も脱サラして独立した当時、好きなように働けることがとても嬉しかった。信じて権限を任せることで、社員にも同じやりがいを味わってほしいと思います。みんな大人なのだから、子供じゃないんだから、「自分で考え、自分で判断し、自分で実行できる人」になってほしい。そういうスタッフが増えると強い組織になると思います。
また、旧来の慣習や常識にとらわれず、クリティカル・シンキングをして、柔軟な発想で新しいことにチャレンジしてほしいと思います。そして、デイル・ドーデンが言うように「試すことに失敗は無い」のですから、どんどん新しいことにトライしてほしい。そういう働き方をしてほしいと思います。
一方で、「社内のコミュニケーションを大切にしたい」という思いも、コロナ禍を経てさらに強くなりました。在宅勤務が増えたことで、社内コミュニケーションが少なくなってしまうという現象が起きたのです。コミュニケーションがないと、お互いの信頼関係が損なわれます。そして、円滑なコミュニケーションのためには、情報や人間関係の「カベ」ができないよう工夫する必要があります。当社はもともとAA・OAの2社を1フロアにまとめているほか、「部長」「課長」という役職呼びもありません。私も社長ではなく「マーク」とフラットに呼ばれています。そのほうが過度に委縮しないし、意見交換も活発になるんです。さらに2022年のはじめには、座席を自由に使える「フリーアドレスオフィス」を導入して、役職に関係なくいろいろな部署の人が交じり合って仕事ができる環境にするつもりです。それどころか、パターゲームやダーツ、卓球台などの遊具をオフィス内に設置して、”仕事と遊びの間にあるカベ”も取り払ってしまいたい。テーマは「会社は遊びに行くトコロ」。普段は在宅勤務でも、何かあれば皆が気軽に集まれて、ワイワイ楽しく交流できるような場になればいいと考えています。
私たちは誰しも、「明るく、楽しく、豊かで、健康で、幸せな人生」を歩みたいはずです。これを否定する人はいないと思います。人生はそうあるべきだと思います。そういう人生を歩むための手段として「仕事」があるはずです。しかし、目的と手段が逆転し、本来は手段である仕事が忙しいせいで、あるいはうまくいかないせいで、プライベートがうまくいかない、健康を損なってしまう、というのは本末転倒ではないでしょうか。皆が自分たちの生活を大切にしながら、楽しく自由に働けることが一番だと思っています。また、プライベートでおおいに遊び、楽しみ、いろんなことを経験することが仕事に役立たないわけがありません。引き出しの多い人間になってほしいと思っています。
アートアベニューは、管理戸数を今の7,000戸から、まずは1万戸、そして2万戸へ。資産コンサルティングの技術をさらに磨き、不動産オーナーに喜んでいただける提案をしっかりとできる組織へと成長させていきたいですね。オーナーズエージェントは、東京・沖縄で連携し「プロコール24」の需要増に応えながら、実力ある優秀なビジネスコンサルタントを何人も輩出していきたい。アートアベニュー宮古島も多角化を進め、島で存在感のある会社へ。「めーめー麺」の全国展開、あわよくば世界展開という夢もあります。
どうですか。仕事って、ワクワクするでしょう?